第58回定期総会 会長挨拶(要旨)

税理士法改正が実現 より良い税理士制度へ

今年は、我々にとって重要な2つの改正法案「税理士法」と「行政不服審査法」が参議院で可決成立した記念すべき年の総会となった。
 京税理士会 会長  神津 信一

1.税理士法改正

税理士法改正運動への対応は、「税理士法改正運動PT・東京本部」を設置し、本会と東京税理士政治連盟が一体となって運動してきた。結果、平成26年税制改正大綱に「税理士法改正」が記載され、3月20日参議院で成立した。

○公認会計士 条件資格付与の見直し
本改正で最も望んでいた公認会計士への無条件資格付与の見直しは、業際問題でなく制度問題として捉えて進めてきた。この改正で「国税審議会の認定する租税法の実務研修を税理士試験レベル」までに引き上げられた研修を受けなければ資格が付与されなくなり、今後は我々の手で検証することが必要だと認識している。

○調査事前通知規定整備
既に施行されているが、調査事前通知の規定が整備された。法第34条のあわせ通知について、納税者の同意があれば税理士のみが通知すれば良いこととなり、これも税理士の社会的地位の向上の一端と捉える。

○懲戒免職公務員登録拒否事由見直し
懲戒免職等公務員の登録拒否事由等が見直しされ、該当者には、調査を徹底し対応していく。

○名義貸し禁止、罰則規定創設
名義貸し行為の禁止規定が明記され、罰則規定も設けられた。綱紀部が中心となり違反行為を未然に防止するための事例集の作成を検討している。

○租税教育への取り組み
租税教育の取り組みの推進が会則への記載すべき事項となった。より一層の租税に対する知識の普及や啓発活動に取り組んでいきたい。

○補助税理士→所属税理士
補助税理士が所属税理士となり、一定の条件の下に他人の求めに応じ自ら税理士業務の委嘱を受けられるようになった。この名称を提案されたのが山川顧問であることをここで紹介したい。

○法改正されなかった事項への取り組み
研修受講の義務化は、改正項目に入らなかったが、納税者の信頼に応えるという使命を全うするためにも会則で対応することを日税連で検討している。

○制度問題は時代の要請に対応必至 議論は継続
制度問題については、時代の要請によって、対応が必至であり、当然、議論は継続していく。また、この問題に対して麻生財務大臣は、「税理士と公認会計士は業務が異なる。高い質の確保が重要で、制度によってその質が侵されることがないように配慮すべき」と国会で答弁しており、ここに今後の税理士制度の途が示されている。
今後は研修会等を行い、本改正を周知徹底していき、制度部が、改正税理士法の手引きを作成する予定である。

2.税制改正対応 軽減税率導入インボイス反対

消費税への対応については、消費税滞納の未然防止に適切に対応すべく検討している。また、軽減税率には、反対をしており、課税ベースの浸食、中小企業の事務負担増につながる事などを訴えていきたい。なお、低所得者対策については、社会保障等の観点から行っていくよう提案したい。

3.行政不服審査法改正→国税通則法改正

行政不服審査法の改正については、「異議申立て」が「再調査の請求」になり、標準審理期間等についても定められた。重要なのは、「権利救済の実効性担保」「適切な人材の選任」「地方公共団体の申立ての分野に応じた高い専門性を有する人材選任」が附帯決議されており、地方行政の不服審理の審理員として税理士の登用が想定されている。

4.番号法 e-Taxはそのためにも、利用率を高める

番号法については、実務として、平成28年1月から利用が開始され、申告書等にこの番号が必要となる。税理士は「個人番号関係事務実施者」と位置付けられており、国民のプライバシーを守り、税制にも寄与する具体的な実行者になるので力を入れていきたい。

5.中小企業 広報活動の効率的推進等

中小企業の経営力強化や金融支援、広報活動の効率的推進、税務支援、租税教育、公益的業務等を今後も更に推進していく。

6.国際連携 ソウル地方税務士会、ケルン税理士会、中華工商税務協会、ベトナム税理士会等

国際連携については、日本の税理士制度を世界に輸出するさきがけになっていきたい。

7.会務イノベーション

会長就任から3年、多くのイノベーションを行ってきた。今年のテーマは、支部間の格差をなくすことで、助成金等の全面的見直しを検討し、新たな施策を構築し、支部間の公平性を保っていきたい。