相続税(贈与税)の延納制度、相続税の物納制度

平成18年9月 国税庁

平成18年4月1日以降の相続開始により財産を取得した方などが対象です。

相続税(贈与税)の延納制度相続税の物納制度が変わりました

税制の改正

平成18年の税制改正により、相続税(贈与税)の延納制度・相続税の物納制度について改正が行われ、平成18年4月1日から施行されました。

この改正の適用を受ける方
・平成18年4月1日以降の相続開始により財産を取得した方
・平成19年1月1日以降に贈与を受けた方(相続開始の日・贈与を受けた日にご注意ください。)
改正法に基づく新たな取り扱いとなります。

1.新しい物納制度の概要

引き続き、旧相続税法の規定による適用を受ける方
・平成18年3月31日以前の相続開始により財産を取得した方
・平成18年12月31日以前に贈与を受けた方
これまでと同じ取り扱いとなります。
平成17年度以降分「相続(贈与)税の延納の手続き」「相続税の物納の手引き」をご覧ください。

2.延納制度の主な改正事項

審査期間の法定

延納申請書が提出された場合は、申請期限から3ヶ月以内に許可又は却下を行います。
なお、延納担保の状況等によっては、最長で6ヶ月まで延長する場合があります。

手続き等の明確化

延納担保として提供が必要な書類が財産ごとに明治されました。(4項目目に例示しています。) 担保提供関係書類の提出期限(提出期限にご注意ください。)

納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに 延納申請書に担保提供関係書類を添付して提出してください。

ただし、期限までに担保提供関係書類を提出することができない場合は、 届出により提出期限の延長(最長6ヶ月)が認められます。

特定物納制度の創設(延納から物納への変更)(新しい制度が創設されました。)

延納の許可を受けた相続税額について、その後に延納条件を履行することが 困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、 分納期限が未到来の税額部分について、延納から物納への変更を行うことができるようになりました。

特定物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、 当初の延納条件による利子税(不動産割合に応じて年2.0%~3.3%)を納付することとなります。

なお、特定物納に係る財産の収納価額は、特定物納申請の時の価額となります。

※上記の利子税の割合は、基準日における公定歩合が年0.1%である場合に適応される割合です。

利子税の計算方法の変更

相続税・贈与税の延納許可に係る税額に課される利子税の計算方法が、 これまでの月単位による計算から日歩計算に変更されました。

3.審査期間の法定

物納申請書が提出された場合は、申請期限から3ヶ月以内に許可又は却下を行います。
なお、申請財産の状況によっては、最長で9ヶ月まで延長する場合があります。

手続等の明確化

管理処分不適格な財産の範囲が限定されるとともに、 同じ種類の財産でも物納に充てる順位が劣後となる財産が定められました。

また、財産ごとに必要な提出書類が明示されました。(4項目目に例示しています。)
物納手続き関係書類の提出期限(提出期限にご注意ください。)

納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに物納申請書に ぶつのう手続関係書類を添付して提出してください。

ただし、期限までに物納手続き関係書類を提出することができない場合は、 届出により提出期限の延長(最長1年)が認められます。(2項目目下のQ&Aをご覧ください。)

物納の再申請等

物納申請した財産が管理処分不適格と判断された場合には、 従来求めていた財産の変更要求ではなく、物納申請が却下されますが、

その却下された財産に代えて1回に限り、他の財産による物納の再申請を行うことができます。

なお、延納により金銭で納付することを困難とする事由がないことを 理由として物納申請の却下があった場合に限り、物納から延納へ変更することができます。

条件付許可

汚染物質除去の履行義務などの条件を付されて物納の許可を受けた後に、 許可財産に土壌汚染等の瑕疵があることが判明した場合には、 汚染の除去等の措置を求められることとなります。

なお、物納許可後5年以内に上記の措置を求められ、その措置ができない場合には、 物納許可が取り消されることがありますのでご注意ください。

利子税の納付

物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、 利子税(年4.1%)の納付が必要となります。

ただし、税務署の手続に要する期間は利子税が免除されます。

※上記の利子税の割合は、基準日における公定歩合が年0.1%である場合に適用される割合です。

4.延納申請書に添付して提出すべき担保提供関係書類

延納申請書に添付して提出すべき担保提供関係書類(例示:土地又は建物の場合)

延納申請期限までに延納申請書に添付して提出してください。

土地

登記事項証明書(登記薄謄本)、固定資産税評価証明書など土地の評価の明細、 抵当権設定に必要な書類(抵当権セ一定登記承諾書、印鑑証明書)を提出する旨の申出書

建物

登記事項証明書(登記薄謄本)、固定資産税評価証明書など土地の評価の明細、 抵当権設定に必要な書類(抵当権セ一定登記承諾書、印鑑証明書)を 提出する旨の申出書、保険所券等の写し、質権設定承認請求書

物納管理処分不適格財産(例示:不動産の場合)

次に掲げるような財産は、物納に不適格な財産となります。

不動産
  1. 担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産
  2. 権利の帰属について争いがある不動産
  3. 境界が明らかでない土地
  4. 隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ 通常の使用ができないと見込まれる不動産
  5. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の規定による通行権の内容が明確でないもの
  6. 借地権の目的となっている土地で、当該借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情があるもの
  7. 他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含む。)と 社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は二以上の者の共有に属する不動産
  8. 耐用年数(所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数をいう) を経過している建物(通常の使用ができるものを除く。)
  9. 敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産
  10. その管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産
  11. 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産
  12. 引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産
物納劣後財産(例示:不動産の場合)

次に掲げるような財産は、他に物納に充てるべき適当な 財産がない場合に限り物納に充てることができます。

  1. 地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
  2. 法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
  3. 土地区画整理法による土地区画整理事業等の試行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地(当該指定後において使用又は収益をすることができない土地を含む。)
  4. 現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(当該納税義務者が当該建物及びその敷地について物納の許可を申請する場合を除く。)
  5. 劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地
  6. 建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地
  7. 都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない 開発行為の基準に適合しないときにおける当該開発行為に係る土地
  8. 都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地 (宅地として造成することができるものを除く。)
  9. 農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において 農用地区域として定められた区域内の土地
  10. 森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
  11. 法令の規定により建物の建築をすることができない土地 (建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含む。)
  12. 過去に生じた事件又は事故その他の事情により、 正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産
物納申請書に添付して提出すべき物納手続き関係書類(例示:更地の場合)

物納申請期限までに物納申請書に添付して提出してください。

共通/更地(借地権等の設定がないもの)・・・
所在図(住宅地図)、公図の写し、登記事項証明書(登記薄謄本)、 地積測量図、境界確認書・道路明示証、 土地の維持管理に要する費用の明細書、所有権移転に必要な書類 (所有権移転登記承諾書、印鑑証明書)を提出する旨の申出書

土地の状況によって追加が必要なもの/建物等の越境がある場合・・・
越境物の撤去等を約する旨の確認書

土地の状況によって追加が必要なもの/建築基準法上の道路に接していない場合・・・
隣地を通行することを承諾した書類

土地の状況によって追加が必要なもの/電柱がある場合・・・
電柱等に係る土地使用承諾書の写し

土地の状況によって追加が必要なもの/仮換地の場合・・・
仮換地指定通知書の写し